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京町家情報センター
京町家の活用方法

ルームプラス 高瀬秀一郎 

1. 居住用

 京町家の活用方法として、やはり1 番数が多いのは居住用賃貸住宅物件です。京町家は当然の事ですが、古い物件です。未改装の物件は比較的に賃料が低い傾向にあるのですが、屋根や構造・トイレ・お風呂・台所といった水廻りの設備の更新や、ライフスタイルの変更等に合わせて間取りを変更している物件は比較的高い賃料で借りて頂けるようになっています。また京町家が持つ経年美を上手く生かした物件は賃貸物件、売買物件問わずに若い方達からも人気の物件です。
 京町家を使ったシェアハウスも、ここ10 年くらいで登場して来た新しいスタイルです。
(シェアハウスとは自分のお部屋とは別に、共同利用できる共有スペースを持った賃貸住宅のことで、共同住宅ならではの「共有」と「交流」を楽しめる新しい住まいの形として外国人・日本人を問わず認知されて来ています。シェアハウスの魅力の1つは、通常の賃貸住宅に比べて初期費用・毎月の費用を抑えてリーズナブルな価格で住める事です。)
 京町家マンスリー(最低契約期間1ヶ月からの短期賃貸契約)の物件も長期滞在旅行者や移住希望者や長期出帳の方達に人気の物件です。通常の賃貸物件とマンスリータイプで大きく異なるのはその設備です。マンスリータイプは短期間住む人をターゲットとしているので生活に必要な家具や家電が最初から備え付けられています。多くの場合備え付けられているのは、冷蔵庫、テレビ、電子レンジ、洗濯機、ベッド(布団)の生活に欠かせない生活家電です。部屋に着いたらそのまま生活が出来る環境が整えられていますので面倒な引越作業をほとんどしなくて済むのは、住む側にとっても大きなメリットです。又、敷金・礼金等が安い事と、退去する時期を自由に決める事が出来るのが大きな特徴です。

2. 事業用

・事務所等
 京町家が持つ歴史的な雰囲気から事務所として利用される事も多い京町家ですが、最近の新しい試みとしては、大型の京町家等がシェアオフィスやコワーキングスペースとして利用されています。(コワーキングとは、事務所スペース・会議室・打合せスペースなどを共有しながら独立した仕事を行う共働ワークスタイルの事です。また、独立して働きつつも価値観を共有する参加者どうしで社交や懇親を図る働き方です。)

・宿泊施設
 京町家の利用方法として最近の海外からの旅行客の増加に伴って増えているのが、京町家を利用した宿泊施設です。京都市も京町家を宿泊施設にする事を積極的に進めているので条例によって各種規制の一部が緩和されています。タイプとしては主に下記の2タイプです。

  京町家一棟貸
京都で暮らすように宿泊出来るので人気の宿泊形態です。室内の設備はホテルと同じ程度かそれ以上スペックの物件も多く、貸切りなのでゆったりくつろげます。多人数宿泊出来る施設等各施設に個性のあるのが特徴です。多くの企業がこのタイプの宿泊施設を開業されています。

  ゲストハウスタイプ
1 つの京町家に不特定の複数名で宿泊するタイプの宿泊施設です。サービスは最小限の施設が多いですが、宿泊価格が安いのが魅力です。

・店舗等
京町家は建物として京都らしい町並みを作っているだけでなく、京都の文化歴史を物語っています。そのため近年では店舗としても利用しやすい京町家はテナント物件としても人気が高まっています。物販業・飲食業・サービス業のどれでも京町家の特徴を生かした活用を行う事が可能です。又、商家として建てられた京町家の場合立地条件も良い場所にあります。京町家は居住空間だけでなく、貸店舗としての利用価値も高い物件です。経年美を感じられる京町家は京都ならではのテナントとして活用する事で京都の景観の維持保全にもつながります。また、京町家が持つ文化的雰囲気からギャラリーやレンタルスペースとして活用されている町家も多数あります。


 京町家の活用方法も時代とともに少しずつ変化して来ております。新しい動きを交えながら京町家の活用方法をご紹介させて頂きました。活用に興味のある方は参考にして下さい。