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京町家情報センター
あけびわ路地 ウォーリン、ドゥルー ケント邸

聞き手:岩本 純一(丸吉住宅)

--京町家を住まいに選ばれた理由
 京都に4年、日本には8年程住んでいます。
 京都の大学に通っているときに、京町家に出会い「京町家に一目惚れ」しました。
 カナダにはない、天然素材を使用した木造住宅に強い関心を持ち、京都大学の高田研究室で京町家の勉強をしました。通庭や坪庭、内・外との空間のあいまいさにも惹かれました。
 海外企業に就職し、日本の活動拠点として当初東京で不動産を探していましたが、東京はオフィスと住まいが分断されている不動産が多くイメージが合いませんでした。そこで大学時代の高田研究室に相談をしたところ「あけびわ路地」に出会いました。
 オーナーの人柄、改修前オフィスにも対応したデザインに施工いただいた大下工務店の技術や町並み(路地も好き)も大変気に入りました。
 京都の文化や京町家の職住共存空間も町家を選んだ理由の一つです。

--地域とのつながりは?
 オーナーも近くにお住まいで、入居した時に町内の方たちへの挨拶にもオーナーが一緒にまわって頂きました。感謝しています。
 町の人たちは、皆顔を合わすと「こんにちは」「こんばんは」と挨拶を交わしあっているのをみて、地域のつながりの深さを感じます。
 オーナーから地域イベントの招待をうけ、積極的にイベント参加することにより、最初は、観光客?(ただの身長180pの外人)として見られていたような感じも受けましたが、徐々に町内会の方とのつながりも深くなってきました。
 これからも積極的に地域のイベントに参加したいです。

--実際に京町家にお住まいされていかがですか
 春と秋の住み心地は完璧です。
 夏は、2階暑いので1階で寝ることも有ります。エアコンは1階のみ、2階は扇風機だけで過ごしています。
 冬は、子供のころから寒い部屋(カナダも寒い)で寝ることが好きです。京町家の寒さは快適です。
 京町家は、クラウドのよう。
 京町家があり、隣家があり、町内があり、地域があり、色々なつながりで形成されている。良い意味であいまいな「私」・「公」のつながりで造られている感じがします。
 唯一困った点は、蚊(モスキート)が多く、今年の夏は「網戸」で対策を考えています。
 
--これから京町家に住まわれる、外国人へのアドバイスをお願いします
 趣や美的な物理的な部分だけを京町家に求めるのではなく、地域コミュニティーや文化も含めた住まい方を学ぶことも必要でしょう。
 外国は、プライベートとパブリックスペースがはっきりしているので、京町家のもつ内(プライベート)、外(パブリック)のつながりや空間のあいまいさを感じ、「自分の家だから自分の好き勝手に住まう。」ではなく、「周りの事も考えて住まう。」という事も大切だと感じました。
 特に購入される方は、1年程度「ためし住み」してみることも良いのでは?

2017.3.1