• 京町家net ホーム
  • サイトマップ
  • アクセス・お問い合わせ
京町家情報センター
芽吹/MEFUKU 北川邸

聞き手:京町家情報センター事務局 城幸央

--この町家に住むことになったいきさつ
 町家暮らしをはじめて10年近くになりますが、現在暮らしている町家との出会いは、一緒に音楽活動をしているギターリストの方に、主人の仕事場所を探していると相談したところ、ご自身が管理されている平屋建ての物件を紹介してくださいました。そこを主人の仕事場として借りることになり、その近くで住まいにできる町家はないかと探したところ、現在の町家に出会いました。

--町家をどのように活用されていますか?
 町家を「芽吹/MEFUKU」と名付け、1Fは音楽事務所と主人のデザイン事務所、2Fは住まいとして活用しています。また現在、平屋建ての方は音楽スタジオとして活用しています。コンサート、カフェ、ギャラリー、古道具、ワークショップなど、私たちらしく発信できる場所に育ててゆきたいと思っています。

--改修についてお聞かせください
 住む前に自分たちで改修したのですが、暮らしてみて不便を感じた部分を改善するためと、趣味嗜好が変わったこともあり、昨年、2回目の改修工事を行いました。東京恵比寿のアンティークスタミゼのオーナー吉田昌太郎さんにスペースデザインを手がけていただきました。吉田さんはアンティークショップを営まれる傍、スペースデザインも手がけられています。日本の文化を尊重した上で、建物のもつ本来の力をいかしながら、現代のニーズに合わせた無国籍な世界を創り上げられます。アイデアを出し合い、取手のディティールなど、細部にまでこだわり完成しました。とはいえ、賃貸なので改修費をなるべく抑え、材料など工夫し、理想と折り合いをつけながらの改修となりました。

--住んでみてどうですか?
 天井を白く塗装するのは勇気がいりましたが、もともとどこかヨーロッパの雰囲気が漂う町家だったので違和感なく馴染み、開放感のある明るいスペースに生まれ変わりました。吉田さんが選んでくださったヨーロッパアンティークの照明やテーブルも空間にぴったりで気に入っています。
 思い切って2Fの天井を抜いたのですが、心配した断熱も裏板を貼ることで改修前より機密性が高くなったように思います。床の傾斜もなくなり快適になりました。ゆらゆら硝子のショーウインドウから2匹のねこが通りを眺め、実家の近くの山から拝借した花や枝を主人がいけ、私は箏を弾いたり曲を作ったり・・・
 新しい町家の空間で穏やかな毎日を過ごしています。

--町内とのおつきあいはいかがでしょう?
 大家さんも改修したことをとても喜んでくださっています。1年にも及ぶの改修だったので、ご近所の方から一町目のサグラダファミリアと呼ばれていたそうです。(笑)3月の町家ウィークの時に、完成のお披露目として町家写真展を開催したところ、町内の方々をはじめ、たくさんの方にお越しいただきました。改修前よりも、ご近所の方が立ち寄ってくださるようになり、子供たちが猫を見たいとあそびにきてくれます。改修したことで地域に根ざす覚悟が生まれ、ご近所の方々との出会いを大切に暮らしていきたいと思っています。
 
 --町家のうたを作られたとか?
 3/8(March8)町家の日が制定されたことをきっかけに、作りかけのまま眠っていた「町家のうた」を完成させることができました。町家に暮らして感じたこと、京都ならではの風情、町家保存へ思いを歌詞に込めました。季節ごとに開催している町家コンサート「町家箱」で歌い続けていきたいと思っていますので、ぜひ足を運んでいただけたら嬉しいです。
http://maiko-net.com


芽吹/MEFUKU
真依子に関するお問い合わせ、出演依頼、グラフィックデザイン、WEBデザイン、イベント制作、映像制作など、音楽やデザインに関することならお気軽にお問い合わせください。
TEL:075-205-2420
MAIL:utaca@maiko-net.com

2017.7.1