聞き手:エステイト信 井上信行
-- なぜ京町家へお住まいになりたかったのですか? 京都の景色や京都の文化、建物、昔から伝統を受け継いできているものがとても好きですごく感銘、感動することが多く、それを今に生かし、残していかなければならないことととても思います。 京町家の建て方も今にはない昔の人の知恵や技術で建てられており、それは決してなくしてはならないもので残していかないといけないものだと思います。 京町家に住むことで少しでもそのことに自分も貢献できればと思ったからかなと思います。 -- 実際暮らしてみてどうですか? 京都で暮らす前には広島県の福山に住んでいて気候も温暖で家も昔ながらの家ではありませんでした。 一番嬉しく思うのは来てくださった方々に「懐かしい感じがして気持ちいい」と言ってくださっていただけることです。町家だからと思いますし、やはり日本には残さないといけない建物だと思います。 ただ一番びっくりしたことはネズミとイタチです。 「いると思ったほうがいい」とは聞いていたのですが、屋根か屋根裏をドタバタ走り回る音にたびたび驚きどきどきします。実際ネズミをみてしまったときはどうしようとすごく悩んでしまいました。でもそれもついてくるものなんだろうなと思って覚悟しないといけないことなんだろうなとあきらめ感じています。 あと冬の寒さがきつく感じ身にこたえます。温暖な気候の地域に住んでいたのでよけいに思ってしまうのかもしれません。でも町家ならではのことと感じています。ただ、身体が冷えないように気を付けないといけないなと思っています。 -- ご近所付き合いとかどんなもんですか? もともと京都の人間ではないので、周りの方からいろいろ京都の方の気質をお聞きしていたので少し不安はありましたが、地域的なこともあるのか、みなさん暖かい人ばかりで、とくに感じるのは広島のほうに住んでいたときはお盆あとの地蔵盆のお祭りはなく、京都は地区、地域ごとにそれぞれの形であるんだなあということにまた感銘し、それに参加させていただくことがとても有り難くうれしく思います。 2018.1.1 |