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京町家情報センター
M様宅

聞き手:水口貴之 (51Action)

松原御幸町。
いわゆる田の字エリア、と呼ばれるほど京都の中心地に、「あけびわ路地」という5連棟の町家が綺麗に並んでいます。今回は、京都のご出身でありながら東京でもお仕事をされているM様に町家での生活をお伺いしてきました。

◎ Mさんが京都に来ることになった理由を教えてください。
 もともと私は京都の出身で、上賀茂神社に近い、歴史としきたりに守られた様なエリアで育ちました。京都を離れて東京で仕事をする様になりしばらく経ったのですが、この度、東京と京都の2拠点で仕事を進めていくことになり、東京に加えて京都でも家を探すことになりました。

◎ 町家に住まれるきっかけを教えてください。
 京都で住む、となった場合、自分の実家も和風建築なので、やはり木造がマンションのコンクリートよりも落ち着くので、ある程度アクセスの良い場所で町家を探していました。また、京都では伝統工芸や歴史と関わりのある事業も展開していくことになっていたので、やはり関連性からいっても町家が良いかと思いました。そこで、今回いくつか物件を見て回ったのですが、このあけびわ路地の町家が一番手入れが行き届いていて。改装されていたのですが、その改装の内容がしっかりと町家の良さを活かすようにされていたので気に入りました。また大家さんの人柄にも惹かれました。さらに、繁華街からも近いし、阪急の烏丸と河原町、京阪の清水五条、と主要な3つの駅からのアクセスがいいというのでこの場所にしました。

◎ 実際に住んでみていかがですか??
 思った通りの生活ができていますね。
坪庭や土壁が気に入っています。友人が訪ねてくることもあるのですが、京都のこんな街中で、手入れの行き届いた5連棟の町家が突如として現れる町家がずらっと並んでいる外観にも、大変喜んでくれます。畳の感触や床の間、縁側を活用できるところが本当に京町家でしか味わえないですね。
実は火鉢に炭を入れて坪庭を眺めるのが日課になっています(笑)。反対になんとかしたいなと思うところは、、、隙間風ですね。。建具で外と室内を仕切っているので仕方がないのですが、、

◎ 京町家を探されている方に何かアドバイスはございますでしょうか?
 やはり不動産会社とのコミュニケーションは大事ですね。あとはきになる物件があれば、大家さんや周りの人の雰囲気を見てみます。挨拶などの声がけをしてみて反応を見てみるのはエリアや物件の雰囲気を知れるのでオススメです。

今回は、複数の拠点で暮らしを営んでいるM様にお話をお伺いしました。
お住まいになられているあけびわ路地は、路地の手間に3棟と路地奥に6棟とまとまって京町家が保全されている場所です。マンションなどが乱立する一等地エリアの中でこの様にまとまった町家保存をされている大家様には本当に感謝しかありません。これからも町家を町家として活用し保全する、このような活用が増えていってほしいと思います。

< 京町家情報センター事務局 城幸央 >

2018.3.1